FERRARI ディーノ 246GT
新車価格目安:当時のフェラーリ系スポーツとしては比較的手の届きやすい価格帯
中古相場イメージ:現在はクラシックフェラーリ市場で高値安定しつつ、V12モデルよりは一段低いレンジ

ディーノ 246GTは、2.4L V6エンジンをミドシップに搭載した2シータークーペで、フェラーリ本体ではなくサブブランド的な『Dino』として展開されたモデルです。V12ではなくV6、フロントエンジンではなくミドシップという構成は、当時のフェラーリとしては大胆なチャレンジでしたが、そのコンパクトなサイズと軽快なハンドリングから『小さなフェラーリ』として多くのファンを獲得しました。
今日では、フェラーリのバッジが付いていなかった時代のモデルでありながら、クラシックフェラーリの一員として高く評価されています。
基本スペック
- 登場年
- 1969年頃
- エンジン
- 2.4L V6 DOHC
- 最高出力
- 195ps
- 最大トルク
- 226Nm
- 駆動方式
- MR
- トランスミッション
- 5速MT
- 燃料
- ハイオク
- 燃費目安
- 約5〜7km/L(実用域目安)
このクルマの性格とお金まわり
新車帯:当時のフェラーリ系スポーツとしては比較的手の届きやすい価格帯
中古帯:現在はクラシックフェラーリ市場で高値安定しつつ、V12モデルよりは一段低いレンジ
現在の中古車市場では完全にコレクターズアイテムの領域に入っており、『手の届くフェラーリ』というよりは『V12の頂点モデルより少し現実的なクラシック』という位置づけです。とはいえ、サイズ感と扱いやすさのおかげで、クラシックフェラーリ入門として選ぶオーナーも多く、適切なショップと組めればツーリングやイベントで積極的に楽しめるモデルです。
オーナー目線の長所と気になるポイント
カタログスペックでは見えにくい部分を「実際に持つなら」という目線で整理
いいところ
コンパクトなボディとミドシップレイアウトにより、軽快で素直なハンドリングを楽しめます。
V6らしい鋭いレスポンスと高回転の伸びが魅力で、『回して楽しい』エンジンです。
ボディラインが非常に美しく、デザインアイコンとしての価値も高いモデルです。
V12モデルよりも取り回しや視界が良く、クラシックフェラーリとしては扱いやすい部類です。
注意したいところ
クラシック人気の高まりにより、かつての『小さなフェラーリ』という価格感はすでに失われつつあります。
ミドシップ特有の整備性の悪さがあり、エンジン周りの作業には手間とコストがかかります。
エアコンや遮音性は現代基準では乏しく、夏場の街乗りにはかなり割り切りが必要です。
サビ対策やボディ剛性の面で、年式なりの弱点を抱えている個体も少なくありません。
トラブル傾向と維持の注意点
よく名前が出る持病や気を付けたい部品などをざっくり整理
ボディ・フレームの腐食は要注意ポイントで、過去の板金・レストア履歴の確認が重要です。
冷却系のトラブルや電装系の接触不良は、旧車フェラーリとして典型的な症状です。
足回りのブッシュやステアリング系のガタは、走りの質感に直結します。
オリジナル状態をどこまで保っているかで、将来の価値が大きく変わります。
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