FERRARI フェラーリ 275GTB/4
新車価格目安:当時の高級GTとしての価格帯(要ヒストリック資料)
中古相場イメージ:コンディションや仕様により、クラシックフェラーリ市場で高値安定

フェラーリ 275GTB/4は、3.3L V12エンジンとトランスアクスルレイアウトを採用したフロントエンジンGTで、クラシックフェラーリの中でも特に完成度が高いと評されるモデルです。ロングノーズ・ショートデッキの美しいプロポーションに加え、4カムV12が高回転まで滑らかに回るフィーリングは、まさに『グランドツアラーの理想形』と言ってよいレベルです。
レース活動で培われたメカニズムを持ちながら、長距離ツーリングでも疲れにくい乗り味を両立しており、サーキットとロードの中間に位置するフェラーリの魅力を凝縮した一台です。
基本スペック
- 登場年
- 1966年頃
- エンジン
- 3.3L V12 DOHC(4カム)
- 最高出力
- 300ps
- 最大トルク
- 294Nm
- 駆動方式
- FR
- トランスミッション
- 5速MT(トランスアクスル)
- 燃料
- ハイオク
- 燃費目安
- 約4〜6km/L(実用域目安)
このクルマの性格とお金まわり
新車帯:当時の高級GTとしての価格帯(要ヒストリック資料)
中古帯:コンディションや仕様により、クラシックフェラーリ市場で高値安定
車両価格・レストア費用・維持費を含め、完全に趣味性の高いコレクター向けGTです。とはいえ、より上の250 GTOクラスと比べれば『まだ現実的』と捉える富裕層オーナーもおり、クラシックフェラーリV12の世界に踏み込む入り口として選ばれることもあります。
長距離ツーリングで本来の魅力を味わうには、信頼できるショップによる継続的なメンテナンスが不可欠です。
オーナー目線の長所と気になるポイント
カタログスペックでは見えにくい部分を「実際に持つなら」という目線で整理
いいところ
ロングノーズ・ショートデッキの典型的なGTプロポーションが非常に美しいモデルです。
4カムV12のスムーズで伸びやかなフィーリングを味わえる数少ないフェラーリの一つです。
トランスアクスルレイアウトにより、FRとして自然でバランスの良いハンドリングを実現しています。
クラシックフェラーリの中でも、スポーツ性と快適性のバランスが非常に優れています。
注意したいところ
クラシックフェラーリの中でも人気が高く、車両価格はすでにコレクターズレンジです。
V12+トランスアクスル構造ゆえ、メンテナンス作業は手間とコストがかかります。
現代基準の安全装備・快適装備は期待できず、長距離ツーリングにも割り切りが必要です。
大掛かりなレストア履歴の有無によって、車両の価値が大きく変動します。
トラブル傾向と維持の注意点
よく名前が出る持病や気を付けたい部品などをざっくり整理
V12エンジンのオイル漏れや冷却系トラブルは定番で、予防整備を前提とした運用が望まれます。
古い配線や電装系のトラブルが、始動性や信頼性に影響することがあります。
トランスアクスルのギアボックス・デフのオーバーホール費用は高額になりがちです。
足回りのブッシュやショックの劣化により、乗り味が大きく変わるため、足回りの状態確認が重要です。
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